居酒屋の店名の決め方。集客に成功するネーミングをプロが解説

居酒屋の店名の決め方。集客に成功するネーミングをプロが解説

ネーミングの基礎知識

  1. ネーミングとは

  2. ネーミングの法則

  3. ネーミングの開発プロセス

居酒屋を開業する際、「どのような店名にすればよいのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。

居酒屋のネーミングは、単に店舗を識別するための名前ではありません。大衆的で気軽に入れる店なのか、料理や日本酒をゆっくり楽しむ店なのかなど、業態や空気感を来店前に伝える重要な役割を担います。

特に居酒屋は、駅前や繁華街で複数の店舗と比較されたり、友人や同僚との会話の中で候補に挙がったりすることが多い業態です。そのため、看板を見た瞬間に興味を持ってもらえることに加え、覚えやすさや呼びやすさ、検索しやすさも考慮する必要があります。

本記事では、居酒屋でネーミングが重要な理由から、名前を考える際に活用できる手法、代表的なネーミングパターン、命名時の注意点まで詳しく解説します。

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居酒屋でネーミングが重要な理由

全てのビジネスでネーミングはブランド構築の基礎になり重要ですが、特に居酒屋においてネーミングがなぜ重要なのかを本章では解説します。

入りやすいと感じてもらう

居酒屋は、レストランとは異なり、「少し飲みたい」「帰りに軽く寄りたい」といった、その場の流れで選ばれることも多い業態です。そのため、店名から入りやすさを感じてもらえるかが、来店率にも影響します。

特に居酒屋は、レストラン以上に、人との距離感や店の空気感を重視されやすい特徴があります。そのため、「気軽に入れそう」と感じてもらうことは重要です。

高級感を強く出しすぎたり、何のお店か分かりにくかったりすると「値段が高そう」「常連しかいなさそう」と感じられ、候補から外れてしまう可能性があります。

お店の業態や空気感を伝える

居酒屋は、同じ飲み屋でも、業態によって雰囲気が大きく異なります。

大衆酒場のようにワイワイ楽しむ店舗もあれば、個室中心の落ち着いた和食居酒屋、日本酒をゆっくり味わう割烹系居酒屋などもあります。そのため、店名から、「どのようなお酒を楽しめるのか」をイメージできると、より選ばれやすくなります。

また、居酒屋は、「今日はみんなでにぎやかに飲みたい」「ゆっくり話せる店に行きたい」など、どのような時間を過ごしたいかで選ばれるケースも多くあります。そのため、ネーミングによって空気感や利用シーンを連想できることも重要です。

繁華街でも埋もれにくくする

居酒屋は、駅前や飲み屋街など、似た業態の店舗が密集するエリアに出店されるケースが多い業態です。そのため、他店と並んだときに、名前だけで印象に残るかが重要になります。

特に繁華街では、短時間で複数の看板を見比べながら店を決めることも多く、名前に特徴がないと、見たけど覚えていない店になりやすくなります。

また、居酒屋は、二軒目探しなど、移動しながら探される場面も多いため、一度見ただけで記憶に残ることが重要です。

常連化につなげる

親しみを持たれやすいネーミングは、常連化につながります。

居酒屋は、「仕事帰りに寄る店」「いつもの飲み屋」として習慣的に使われるケースも多い業態です。そのため、一度聞いただけで覚えやすく、自然に口に出せる名前であることが重要といえます。

特に、短く呼びやすい名前は、「今日は〇〇行こう」のように会話の中でも使われやすく、再来店のきっかけにもつながります。また、常連客は新しいお客様を連れて来店するケースも多いため、紹介しやすい名前かどうかも重要です。

居酒屋のネーミングのコツ

ネーミングの手法には国内外でさまざまなものがありますが、本章ではその一部を紹介します。

結合(造語)

結合(造語)とは、異なる意味を持つ言葉同士を組み合わせ、新しいイメージを作るネーミング手法です。

居酒屋では、「料理名+酒場」「地域名+横丁」「和風表現+現代ワード」など、複数の要素を組み合わせたネーミングが多く使われています。

また、居酒屋は競合店が多い業態でもあるため、既存ワードだけで構成するよりも、独自の組み合わせを作ることで記憶に残りやすくなる点も特徴です。

短縮・カバン語

短縮・カバン語とは、長い言葉や複数の単語を圧縮し、短く整理するネーミング手法です。

居酒屋では、「料理ジャンル」「地域名」「酒場感」など、伝えたい要素が多くなりやすいため、名前が長くなりすぎるケースも少なくありません。

例えば、「完全個室海鮮居酒屋〇〇」のように情報を詰め込みすぎると、看板やSNS、グルメサイト一覧で読みにくくなり、印象にも残りづらくなります。

そのため、必要な要素だけを残しながら圧縮することで、分かりやすさと記憶しやすさを両立できます。特に居酒屋は、看板・提灯・のれんなど、限られたスペースで名前を見せる場面も多いため、視認性を意識して情報量を整理することが重要です。

表記の変更

表記の変更とは、同じ言葉でも、漢字・ひらがな・カタカナ・英字などを使い分けることで、印象を調整するネーミング手法です。

居酒屋では、料理ジャンルだけでなく、どのような客層に来てほしいかによって表記を使い分けるケースも多く見られます。

例えば、漢字中心の名前は、和食系や日本酒居酒屋など、大人向けの落ち着いた印象を演出しやすくなります。一方で、ひらがなは親しみやすさ、カタカナや英字はネオ居酒屋らしい現代感やSNS映えを表現しやすい特徴があります。

実際に人気店でも、「くるみ堂」のような柔らかい印象の名前、「鶴屋」「志満津」のような和風感を強調した名前、「Kurosawa」「MORI-YA」のような現代感を出した名前など、業態に合わせて表記が使い分けられています。

オノマトペ

オノマトペとは、「ジュージュー」「ぐつぐつ」「パリパリ」のように、音や状態を言葉で表現するネーミング手法です。

居酒屋では、料理そのものだけでなく、調理中のライブ感や食欲を刺激する空気も価値になりやすいため、オノマトペと相性が良い特徴があります。特に居酒屋では「お酒が進みそう」といった印象を直感的に伝えやすくなります。

音から美味しさを想像できる名前にすることで、視覚だけでなく感覚的にも印象に残ります。

畳語

畳語とは、「わいわい」「ぐびぐび」のように、同じ音や言葉を繰り返すネーミング手法です。

居酒屋では、親しみやすさや勢いを表現しやすく、大衆酒場やネオ居酒屋とも相性が良い特徴があります。特に居酒屋は、「楽しく飲めそう」「にぎやかそう」といった第一印象が重要になりやすいため、テンポ感のある言葉を使うことで、飲み屋らしい空気感を伝えられる点がメリットです。

また、畳語はリズムが単純な分、一度聞いただけでも覚えやすく、人との会話でも自然に使われやすい特徴があります。居酒屋は口コミや紹介によって店名が広がるケースも多いため、口に出しやすい名前にすることも重要です。

ギャップ・違和感

ギャップ・違和感とは、居酒屋らしくない言葉や意外性のある表現をあえて使い、印象に残りやすくするネーミング手法です。

人は、予想外の言葉を見ると、「なんだろう?」と興味を持ちやすい傾向があります。特に居酒屋は、繁華街やグルメサイトで大量の店舗情報と並ぶため、気になる名前は認知につながります。

例えば近年のネオ居酒屋では、「大衆酒場 BEETLE」のように、飲み屋らしくない可愛い言葉やスタイリッシュな単語を取り入れ、SNSで話題化につなげているケースもあります。

また、「〇〇研究所」「〇〇学園」「〇〇商店」のように、本来は居酒屋と結びつきにくい言葉を使う手法も増えています。

居酒屋のネーミング例

居酒屋のネーミングの例をパターン別に紹介します。

酒場型

「〇〇酒場」のように、「酒場」という言葉を使い、大衆感や気軽さを伝える定番パターンです。

特に、「大衆酒場」「ネオ大衆酒場」など、比較的カジュアルな居酒屋と相性が良く、価格帯や入りやすさをイメージしてもらいやすい特徴があります。

また、「〇〇酒場」は、短く覚えやすい名前になりやすく、口コミや会話の中でも使われやすい点も特徴です。

横丁・昭和レトロ型

「横丁」「屋台」「赤ちょうちん」など、昔ながらの飲み屋街を連想させるパターンです。

居酒屋では、懐かしさや人情感と相性が良く、昭和レトロブームの影響もあり、現在でも人気があります。「気取らず飲めそう」「ワイワイ楽しめそう」といった印象を作りやすく、初めてのお客様でも入りやすい雰囲気につながります。

また、「横丁」という言葉は、複数の飲み屋が並ぶにぎやかな空間を連想させやすく、一店舗でも飲み屋街のような活気を演出しやすい特徴があります。昭和感を取り入れることで安さや大衆感、親近感をイメージしてもらいやすい点も特徴です。

和風型

漢字や和風表現を使い、落ち着いた雰囲気や高級感を演出するパターンです。

例えば、「鶴屋」「志満津」のような名前は、和食居酒屋らしい上品さや大人向けの空気感を連想しやすくなります。

特に日本酒や海鮮、郷土料理を強みにする居酒屋では、料理をしっかり楽しめる店という印象を与えやすい特徴があります。

また、和風型は、「居酒屋」というより、和食店寄りの印象を作りやすいため、接待需要や落ち着いた年齢層との相性も良い傾向があります。漢字を中心にすることで、重厚感や老舗感を演出しやすい点も特徴です。

ネオ居酒屋型

カタカナやギャップのある言葉を使い、現代的な雰囲気を演出するパターンです。

ネオ居酒屋では、料理だけでなく、SNS映えや世界観も重視されやすいため、少し意外性のある名前や写真を撮りたくなるようなネーミングが使われるケースもあります。「おしゃれだけど入りやすい」というバランスを重視する店舗も多く、若年層との相性が良い点も特徴です。

特にネオ居酒屋では、漢字だけで重厚感を出すよりも、カタカナ・英字・可愛い単語などを組み合わせることで、今っぽさや“SNSで話題になりそうな雰囲気を演出できます。

個室・隠れ家型

「隠れ家」「はなれ」「個室」など、落ち着いた空間を連想させるパターンです。

実際に人気店でも、「隠れ家個室 くるみ堂」などゆっくり過ごせそうな印象を名前で表現している店舗が多く見られます。 特に近年は、宴会だけでなく、少人数飲みやデート需要も増えているため、静かに飲める居酒屋を連想できるネーミングも増えています。

また、「はなれ」「隠れ家」といった言葉は、特別感を演出しやすく、「にぎやかな大衆酒場とは違う店」という差別化にもつながります。

料理特化型

「焼き鳥」「海鮮」「もつ鍋」「炉端」など、料理ジャンルを前面に出すパターンです。

居酒屋では、お酒そのものよりも、何をつまみに飲むかが重視されるケースも多いため、料理名を店名に入れることで、お店の強みを明確に伝えられます。

特に料理特化型は、「この料理ならこの店」という専門店ポジションを作りやすく、競合居酒屋との差別化につながる点もメリットです。

例えば、「炉端」「もつ鍋」のような言葉は、単なる料理説明だけでなく、調理スタイルや店のライブ感まで連想できます。

店主・屋号型

店主名や昔ながらの屋号を活用し、個人店らしさや地域密着感を出すパターンです。

「〇〇屋」「〇〇商店」のように、人の存在を感じられる名前にすることで、親近感を演出しやすくなります。

実際に、「庄や」「つぼ八」のように、昔ながらの屋号感を活かした居酒屋も多く見られます。また、個人居酒屋では、店主の名前や愛称を取り入れたネーミングも少なくありません。

特に地域密着型の居酒屋では、“店主のキャラクター”が店の魅力になるケースも多く、「常連が集まる店」という印象を作りやすい特徴があります。

居酒屋をネーミングするときの注意点

最後に、ネーミングの命名時に留意すべき事項を紹介します。

酔った状態でも伝わる名前にすべし

居酒屋は、騒がしい店内や酔った状態で話題に出されることも多い業態です。そのため、聞き取りやすさや覚えやすさが重要といえます。

また、飲み屋街では、酔った状態で看板を探されるケースも多いため、一瞬で認識できるかも重要です。

特に居酒屋は、口コミや紹介によって店名が広がるケースも多いため、口に出しやすいシンプルさを意識することが大切です。

高級感と大衆感を混在させない

居酒屋では、「誰向けの店なのか」が曖昧になると、ユーザーが利用シーンを判断しづらくなる場合があります。

例えば、宴会向けのにぎやかな居酒屋なのに、高級割烹のような名前にすると、「会社の飲み会で使っていい店なのか」が分かりづらくなります。

反対に、接待やデート需要を狙った落ち着いた居酒屋なのに、大衆酒場感を強く出しすぎると、本来ターゲットにしたい客層とズレる可能性があります。

特に居酒屋は、「誰と飲むか」によって選ばれ方が変わるため、ネーミングの方向性を混在させすぎないことが重要です。

名前と料理のイメージをズラしすぎない

居酒屋では、店名によって料理への期待値が作られやすい特徴があります。

例えば、「炉端」「炭火」「漁師」などの言葉は、ライブ感や専門性を強く連想させるため、実際の料理内容との差が大きいと、期待外れにつながる場合があります。

名前によって特定ジャンルを強く打ち出す場合は、実際の看板メニューとの整合性を意識することが重要です。

大手チェーン店に似せすぎない

居酒屋業界では、「酒場」「横丁」「大衆」など、定番ワードを使ったネーミングが非常に多く見られます。そのため、既存チェーンと似た構成にしすぎると、どの店だったか思い出せない名前になりやすく、個性が埋もれてしまう可能性があります。

実際に、焼き鳥チェーンの「鳥貴族」と「鳥二郎」は、名前の響きや構成が似ていることから話題になったケースとして知られています。どちらも「鳥+人名風」の構成で、焼き鳥居酒屋らしさを伝えやすい一方、ユーザーから「名前が似ていて分かりづらい」と認識される場面もありました。

また、大手チェーンと雰囲気が似すぎると、価格帯や業態まで同じように誤認される場合もあるため、定番ワードを使いつつも、その店ならではの固有性を入れることが重要です。

まとめ

居酒屋のネーミングは、店舗を識別するためだけでなく、入りやすさや料理の特徴、価格帯、店内の空気感を伝え、来店を後押しする重要な役割を担います。

特に居酒屋は、その場の流れで選ばれたり、繁華街で複数の店舗と比較されたり、口コミや会話を通じて紹介されたりすることが多い業態です。そのため、一目で印象に残ることに加え、短く覚えやすいこと、聞き取りやすいこと、自然に口に出せることも重要です。

ネーミングを考える際には、造語や短縮、表記の変更、オノマトペ、畳語、意外性のある言葉など、さまざまな手法を活用できます。また、「酒場」「横丁」「隠れ家」「炉端」などの言葉を使うことで、業態や利用シーンを分かりやすく伝えることも可能です。

一方で、高級感と大衆感を混在させたり、実際の料理や店舗の雰囲気とかけ離れた名前にしたりすると、来店前の期待と実際の体験にズレが生じます。大手チェーンや競合店と似すぎていないか、看板やSNS、グルメサイトでも見分けやすいかまで確認することが重要です。

パープレンスでは、店舗のコンセプトや料理、ターゲット、価格帯、立地、競合環境などを整理した上で、居酒屋のネーミング開発を支援しています。さらに、覚えやすさや検索しやすさ、SNSやデジタルマーケティングとの相性も考慮し、長期的なブランド資産となる店名を設計します。

居酒屋の新規開業やリブランディングにあたり、店舗の魅力や世界観を的確に表現できる名前を検討している方は、パープレンスへご相談ください。

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