6カ月でSEO経由の資料ダウンロード数が月3件→月250件へ。広告に依存しない獲得チャネルを構築

業種・規模
専門サービス業/1000名以上/上場企業
予算
100万円/月
支援内容
ブランド定義/SEO

概要

SaaSを提供する企業に対し、ブランド定義と、SEOを軸としたデジタルマーケティング支援を実施しました。

同社はインサイドセールスの体制が整っており、獲得した見込み顧客を商談につなげる力を持っていました。一方で、その前段階となる潜在顧客の獲得が課題となっていました。

そこで、広告だけに依存しない継続的な見込み顧客の獲得を目指し、ブランド定義、ウェブサイト構築、SEOコンテンツの拡充、コンバージョン導線の改善などを横断的に支援しました。

課題

同社では、獲得した見込み顧客を商談へつなげるインサイドセールスの体制が整っていました。その一方で、インサイドセールスへ継続的に引き渡せる潜在顧客の獲得が、マーケティング上の大きな課題となっていました。

これまでもGoogle広告やMeta広告などを活用していましたが、競争環境の激化によって獲得単価が上昇。サービス資料のダウンロード1件あたり、約10万円のコストがかかる状態でした。

そこで、サービス資料のダウンロードを主要なコンバージョンとして設定し、マーケティングでは潜在顧客との接点を広げ、その後の商談化はインサイドセールスが担う役割分担を明確にしました。

同時に、広告費を増やし続ける集客モデルから脱却し、中長期的に見込み顧客との接点を積み上げられるオウンドメディアを、新たな獲得チャネルとして育成する必要もありました。既に営業部門が記事制作に取り組んでいたものの、SEOに関する知見や記事制作のオペレーションが十分に整備されておらず、継続的な検索流入やコンバージョンにはつながっていませんでした。

さらに、サービスの機能追加や提供領域の拡大に伴い、従来のブランドイメージと実際のサービス内容にずれが生じ始めていました。そこで、「誰に、どのような価値を提供するサービスなのか」を改めて整理し、ウェブサイトやオウンドメディアを含む顧客接点全体で、一貫したブランドイメージを構築することも課題となっていました。

ご支援内容

オウンドメディア構築のためのブランド定義

SEO施策に着手する前に、「誰に、どのような価値を提供するサービスなのか」「競合と比較して何が違うのか」「どのような課題を持つ企業に選ばれたいのか」というブランド定義を整理しました。

その上で、オウンドメディアの主な読者となる顧客像や抱えている課題、自社だからこそ提供できる情報価値を明確化。単なる情報提供サイトではなく、見込み顧客が課題を整理し、次の行動を判断するために役立つメディアとしての立ち位置を定めました。

また、扱うテーマだけでなく、扱わないテーマも明確に設定しました。検索ボリュームが大きくても、自社の事業や専門領域との関連性が低いテーマは原則として対象外とし、メディア全体の専門性や一貫性を保てるようにしました。

さらに、文章表現や表記ルールまでブランド定義に落とし込み、読後感も設計しました。例えば、記者ハンドブックなどでは漢字表記が用いられる語であっても、ブランドとして柔らかい印象を持たせたい場合には「もとに」「ひとつ」のようにひらがなで表記するなど、言葉の選び方にも統一した基準を設けました。

こうしたブランド定義をオウンドメディア全体の共通基準とすることで、記事ごとにテーマや表現、訴求軸がばらつかず、一貫した情報発信を行える状態を整えました。

ブランド定義を基にしたSEO実務

ブランド定義で定めた読者像や情報発信の領域を基に、SEOの実務設計から記事制作、効果検証までを支援しました。

まず、競合サイトや検索結果、検索ニーズを分析し、対策キーワードを整理しました。検索ボリュームだけで優先順位を決めず、自社サービスとの関連性や検索意図、サービス資料のダウンロードや将来的な商談へのつながりやすさを踏まえて、制作する記事を選定しました。

記事制作では、キーワードごとに検索意図や競合コンテンツを分析し、構成案の作成、執筆、編集、校正、公開までのオペレーションを整備しました。従来は営業部門が個別に記事を制作していましたが、SEOの知見に左右されず一定の品質を保てるよう、記事制作のルールやチェック体制も構築しました。

新規記事だけでなく、既存コンテンツの改善も実施しました。検索順位、表示回数、クリック率、流入数などを確認し、情報の追加や構成の見直し、タイトルの改善、重複記事の統合などを実施。コンテンツを増やし続けるだけでなく、既存記事を継続的に改善する運用へ切り替えました。

併せて、外部サイトからの被リンク獲得にも取り組み、個別記事だけでなくサイト全体の検索評価向上を図りました。

SEO施策を商談につなげるコンバージョン導線の改善

SEOによってウェブサイトへの流入を増やすだけでは、潜在顧客の獲得にはつながりません。

そこで、ウェブサイトの主要なコンバージョンとしてサービス資料のダウンロードを設定し、各ページから資料へ遷移する導線を見直しました。

サービスの特徴や使い方、導入メリット、よくある質問など、ユーザーが検討を進める上で必要となる情報を拡充。コンテンツを読んだユーザーが自然に次のアクションを起こせるよう、CTAの配置やページ構成も改善しました。

単純にアクセス数を増やすのではなく、「集客するコンテンツ」と「資料ダウンロードにつなげる導線」をセットで改善することを重視しました。

成果

これらの取り組みにより、ウェブサイトの月間ユーザー数は、6カ月で約600人から約25,000人へと40倍以上に増加しました。

さらに、ウェブサイトを訪れたユーザーのサービス資料ダウンロード率も、約0.5%から約1%へと2倍に改善。流入数を増やすだけでなく、獲得したアクセスを潜在顧客へ転換する力も高めることができました。

その結果、資料ダウンロードの数は、月3件→月250件に大きく成長させることができました。

また、広告では1件あたり約10万円かかっていたサービス資料のダウンロードを、約7,800円で獲得できる水準まで改善しました。この獲得単価は、6カ月間の費用600万円を、累計資料ダウンロード数760件で割った数値です。

SEOコンテンツは、一度公開して検索流入を獲得できるようになれば、広告のようにクリックごとに費用が発生するわけではありません。今後、新規コンテンツを追加する頻度を抑えながら既存コンテンツから継続的に資料ダウンロードを獲得できれば、1件あたりの獲得コストはさらに低下していくことが期待できます。

今回の事例では、インサイドセールスという既存の強みを生かし、マーケティング側では無理に商談まで完結させようとするのではなく、潜在顧客の獲得とサービス資料のダウンロードに役割を集中しました。

また、ブランド定義を起点に、SEO、コンバージョン導線まで一貫して設計することで、単なるアクセス数の増加ではなく、インサイドセールスへ継続的に見込み顧客を供給できる仕組みを構築しました。

広告は即効性に優れる一方で、競争が激しくなれば獲得単価も上昇します。広告とSEOのどちらか一方に依存するのではなく、自社の営業体制や顧客獲得プロセスを踏まえて、それぞれの役割を設計することが重要です。

同じような課題をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

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